クモ蟲画像掲示板
佐渡島のクモ - くも子
2018/02/06 (Tue) 09:05:40
谷川先生をはじめとするクモ学者によって実施された「佐渡島のクモ採集記録」という調査報告(キシダイアNo.111:55-73[2017])がございます。
http://kakureobi.sakura.ne.jp/kishi/k111.pdf
2012/9~2014/6の間に5度、述べ24日間の調査データ。冒頭に、佐渡市による動植物生息状況調査の一環…と。
(数え間違いがなければ)239種の生息が確認された。中には、2014年に谷川先生によって新種記載されたヘリジロコモリグモ Pardosa albomarginataが含まれており、今のところ他所での記録はないようですからとても興味深いと思います。
(110926大佐渡スカイライン遠望&海と加茂湖を分ける細長い街並み)
Re: 佐渡島のクモ - くも子
2018/02/06 (Tue) 09:55:35
実は私も一度だけ佐渡島に"クモ探し"を目的とした小旅行(2011/9/25~10/1)の経験があり、ここではそのとき見つけたクモのことを話題にさせていただこうと思い立ちました。
クモが好きになって約10年、クモを探して旅に出ます。こんなライフスタイルが定着、その間にぼんやり解ってきたことのひとつ「クモはどこにでもいる」と。だから行き先はどこでもよい。
大半は大手旅行会社の「フリープラン」、できるだけ長期で安価なものを探します。個人で切符を買ったり宿の手配をするより大手のツアー商品は断然割り安。朝・夕食事つきならベスト。
日本人の旅探しでこのような需要は少数派らしく、残念なことに久米島14日(切符・宿・朝夕付き5万円)とか石垣島14日とか、北海道どこどこ14日といったフリープランは絶滅状態。
私が参加した”佐渡フリープラン7日間”というのも、たった一回だけで消えました。
旅行社大手は、採算割れプランなど復活の動きが有りません。
(110927宿の窓から、佐渡島加茂湖の日の出風景)
ヘリジロコモリグモ Pardosa albomarginata - くも子
2018/02/06 (Tue) 10:12:05
前置きが長くなってしまいました。
最初の話題は上記オオアシコモリグモ属ヘリジロコモリグモPardosa albomarginata。
一見、南西諸島などの普通種キタコモリグモ属ナガズキンコモリグモに頭胸部の形が似ており特徴的、他種と見間違うことはなさそうです。
(110927新潟県佐渡島)
ヘリジロコモリグモ Pardosa albomarginata - くも子
2018/02/06 (Tue) 11:06:40
金北山(1,172m)登山口付近の砂地、ウヅキコモリグモなどと共に見つかりました。
プラ容器に入れて12枚ほど撮り、クモは解放。宿で写真を見ても、判りません。
およそ3年後、谷川先生によって記載された佐渡島産ヘリジロコモリグモのことを知り、もしやと佐渡のフォルダを開いてみた次第。撮った個体はオス幼体といったところでしょうか。
上述キシダイアの報告は、ヘリジロコモリグモが島の2か所で、それぞれ856:130525FMおよび978:140622Fといった採集データのみ。
記載論文をきちんと読みこなす能力がありませず、佐渡島に棲息するヘリジロコモリグモがどのような種に由来し進化して今に至ったのかなどというような考察部分を知ることができないのが残念です。
水田に(も)棲息…(佐渡の水田面積は2,000ヘクタール超、重点的に探せば周年にわたりいつでも見つかりそうですね。)
附)後日、採集データ部分を訂正しました。
Re: 佐渡島のクモ - くも子
2018/02/06 (Tue) 13:18:17
冒頭のキシダイアの採集記録に記録がない普通種が何種かあります。成体の採取例がなかったからだと思います。
成体でなくとも、経験的にみた目で同定できる春のクモ、アオオニグモです。
(110926新潟県佐渡島)
Re: 佐渡島のクモ - くも子
2018/02/06 (Tue) 14:03:07
同じく採集記録が記述されていないが、幼体でも見た目で判るネコハエトリです。いかにもいかにも…といった齢期の個体ばかり。季節が違ったにしても、成体が見つからない方が不思議なくらい。
(110926新潟県佐渡島)
Re: 佐渡島のクモ - くも子
2018/02/07 (Wed) 06:48:55
採集記録にないオビボソカニグモです。歩脚の色調を重視し、暫定オスぐらいと見立ててみました。
山裾の林道脇の針葉樹に。長野県・北海道などと同じような棲息環境でした。
(110928新潟県佐渡島)
ゴミグモの円網 - くも子
2018/02/07 (Wed) 14:54:02
通常の”擬装円網”と違うゴミグモの網を2例見つけました。
通常は食べかすなどを縦に連ねた完成形しか観たことがありません。が、考えてみますと最初から完成形があるはずもなく、決まった手順に従って造ってゆく分けでしょうから、その途中の形というものもあるはず…ですね。それを観たことがないから知らないだけなのかも?
(写真1の円網部分、横糸がまだ張りのこしのようにも見えますし。)
ご存知の方、どうぞご教示くだされたく、お願いします。
(110928佐渡島金北山登山口付近)
Re: 佐渡島のクモ - くも子
2018/02/10 (Sat) 19:57:08
わたしの行動範囲はとても狭い。路線バスを利用し、その先は徒歩か、せいぜい貸し自転車です。
この時は初めての佐渡、事前の情報もゼロ。極めて短期間でしたから、宿の周辺を少し動き回っただけ。ですから山の方まで手が回りません。次の機会にはぜひ、山中に宿をとって歩き回りたいと思っています。
Re: 佐渡島のクモ - きどばん
2018/02/11 (Sun) 19:45:42
> クモが好きになって約10年、クモを探して旅に出ます。こんなライフスタイルが定着、その間にぼんやり解ってきたことのひとつ「クモはどこにでもいる」と。だから行き先はどこでもよい。
> 大半は大手旅行会社の「フリープラン」、できるだけ長期で安価なものを探します。個人で切符を買ったり宿の手配をするより大手のツアー商品は断然割り安。朝・夕食事つきならベスト。
なるほど、私も近い将来クモ子さんの行動パターンを追随するでしょう(笑)
> 記載論文をきちんと読みこなす能力がありませず、佐渡島に棲息するヘリジロコモリグモがどのような種に由来し進化して今に至ったのかなどというような考察部分を知ることができないのが残念です
記載文はまだ読んでいませんが時間があったら要約をメールで送ります。ただ「どのような種に由来し進化して今に至ったのか」ということは記載された方を含め、世界中の誰にも分からないことだと思います。
> 通常の”擬装円網”と違うゴミグモの網を2例見つけました。
> 通常は食べかすなどを縦に連ねた完成形しか観たことがありません。が、考えてみますと最初から完成形があるはずもなく、決まった手順に従って造ってゆく分けでしょうから、その途中の形というものもあるはず…ですね。それを観たことがないから知らないだけなのかも?
「途中の形」というものではないと思います。何らかの理由により網が完全に破壊され、最初から作り直した網なのでしょう。幼少の頃より集めた脱皮殻・食べかす等をすべて失った個体がこのような白帯を作るのではないかと。
※通常のゴミグモ幼体 140904 東京都八王子市
Re: 佐渡島のクモ - くも子
2018/02/12 (Mon) 11:31:14
たくさんのご所見を寄せてくださり、ありがとうございます。
もっとシンプルな投稿を心掛けたい…と、反省しています。