クモ蟲画像掲示板
サラ系? - くも子
2018/06/16 (Sat) 11:52:23
お役所が、荒川本流脇に沿って、静脈瘤(じょうみゃくりゅう)のごとき形状の、小規模な「わんど」をつくりまして…本流の潮の干満につれて汽水が出入りします。
稚魚なども入り込み、それを狙うサギなども、羽を休める仕掛けになっています。
区内には何ケ所かビオトープなどと呼び、子供の観察会をやったりする場所があります。
植生もいくらか落ち着いてきたようなので歩いてみました。首題の系に属するクモではないかというのがおりました。
腹下面が螺鈿細工のごとき美しさです。クロスジアカムネグモ♀としてみたのですが?
(180614東京都足立区)
Re: サラ系? - きどばん
2018/06/16 (Sat) 21:29:12
> 腹下面が螺鈿細工のごとき美しさです。クロスジアカムネグモ♀としてみたのですが?
合っているかも知れませんね。
> 下面の様子からコクサグモ幼体としてみました。
合っていると思います。
> 大きさのみを拠りどころに、ハマキフクログモ♀としてみました。
合っている可能性が高いです。
> 真っ黒い体色、ヤミイロカニグモ♂?
合っている可能性が高いです。
Re: サラ系? - くも子
2018/06/17 (Sun) 06:16:35
ありがとうございます。相変わらず”こんなクモがいました”レベルです。
(生殖器はみない、みても分からない。)
多様を極めるクモの姿を矯めつ眇めつ…観て驚いて推理する。撮って、みていただく…このことがなぜ楽しくて止められないのか、自分でもよく判りません。
外観でおよそ種名が判るクモもいました。サツマノミダマシ♀。
この、新鮮な茹でたての枝豆の色にも似た(さつまの実の色にも似た…)色素とは?。このクモが体内で造りだした物質に違いありません。その化学構造を推理したりする時、クモの限りない超能力に魅せられます。
ワキグロサツマノミダマシとの関係は?いつごろ別れた?(他人の空似ではなさそうですね。)
Re: サラ系? - くも子
2018/06/17 (Sun) 06:17:46
トヨウオニグモ♀
このクモは確か二化性(春と秋、年二回の発生が見られる…と。)でした。クモの戦略を推理するとき、ますます身近なこのクモが好きになってしまいます。
Re: サラ系? - くも子
2018/06/17 (Sun) 06:29:05
メガネアサヒハエトリ♂
究極の派手な姿、同種のメスを引き付けるためにほかなりませんね。当地では個体数の多さ抜群です。
「日本のクモ2017」の前半部分をゆっくり読み直しています。一行一行の解説、一枚一枚の写真、著者が日本のクモを観て歩いた努力と楽しさが伝わってまいります。多謝。
Re: サラ系? - きどばん
2018/06/17 (Sun) 20:09:49
> ワキグロサツマノミダマシとの関係は?いつごろ別れた?(他人の空似ではなさそうですね。)
くも子さんの疑問に対する明確な回答は半永久的に出ないと思いますが・・・極めて近縁でありながら外見が明確に異なり出現期も微妙にずれている・・・くも子さんのような深淵な疑問は持たず、単に「外見を含めた生態的相違を認識したい」と考えている私にとってはサツマノミダマシとワキグロサツマノミダマシの関係というのはスッキリ受け入れることができます。物凄くストレスを感じるのは外見も出現期も生態的環境も違いが見出せないのに生殖器形状の違いのみで別種とされること。例えば同日・同産地のメキリグモとカワラメキリグモはパッチ的環境の相違を認識できますが、同産地のメキリグモとモリメキリグモはどうも・・・。以前とある梅園の藁下でメキリグモ.sp♂3匹を見つけ、うち2匹を捕獲・・・まあメキリグモだろうな、と思いつつ念のため持ち帰り。1匹はメキリグモで1匹はモリメキリグモでした。外見でまったく識別できず、全く同じ日に、全く同じ藁の下にいた2匹のクモが「生殖器形状が異なる」ことのみで別種と認識しなければならない・・・私にとっては途方もなく苦痛を感じる出来事です。おまえら何で別種である必要があるんだ! アズマヤチグモとムサシヤチグモなんて何で別種である必要があるんだ! ・・・無紋フクログモなんか何十年見続けても「外見での識別不可能」なのか!・・・つらいものがありますね。
※種不明、葉が細身の常緑広葉樹、地上1.5mの葉裏にいたムツトゲイセキグモ♀・・・サイズを考慮すれば常識的に幼体だと思うが外見は成体そっくり。明らかに幼体であれば掴み捕りするだろう。明らかに成体であれば粘球を振り回すだろう。画像のような個体はどのように獲物を捕らえるのか。以前体長5ミリの♀成体の飼育を試みたときはユスリカ・タマバエ・キノコバエの類からミクロの蛾類各種各サイズを与えてみたが全て拒まれ餓死した。野外観察するしかない。ここにいる限り観察を続けなければならない・・・早く行方不明になってくれることを祈る。 180615 東京都府中市
Re: サラ系? - くも子
2018/06/18 (Mon) 06:28:04
目にするクモを前に、疑問というよりはふと浮かんだつぶやきのようなことへも奥深いご所見を寄せてくださり、ありがとうございます。
>「外見を含めた生態的相違を認識したい」
(公約数的な実例の積み重ねと例外的な観察例の違いが理解できるようになりたいものです。)(クモの研究者が専門分野をもっているのは、難しさの裏返しかも。)(分類学者間でも時として意見の違いが生じ、頻繁に変更が行われていますが、これは今後もずっと続くと思います。)
いつも思うことですが、原生ホモサピエンスのわたしたちは、熾烈なホモ族間の生き残り競争に勝ち残った唯一の種であること、地球進化カレンダー上でみるとそれが12月31日23時37分ごろネアンデルタールの絶滅によって確定し、たかだか20万年しかたっていないと判っており、原生クモ族全種と比べてみてもその意味ではあまり大差がないと思っています。母なる地球の今を生きる極めて近い仲間同士だと言えます。
クモ自身は、自分に名前が付けられているとか自分が何ものなのかなどと考えたことなどもちろんないだろうけれど、水の惑星地球号に暮らす生きもの仲間として大差がありません。だが彼らの実力は桁違い、生まれ出たその直後から両親と同じ超能力を発揮することができる。クモが日常的にやっていることをヒトはほとんどできません…単純に比較はできませんが、名前は?とか違いは?といったサピエンス的な事柄にこだわりの強いヒトとはこの点が大きく違います。
頑固で寡黙なクモたちは何も語ってくれません。いわば不言実行が生きる道、そこのところが最も好ましく尊敬に値すると思っています。
Re: サラ系? - くも子
2018/06/19 (Tue) 07:24:56
本スレッド前の方で、サツマノミダマシの体色の鮮やかさに魅せられ、クモが体内でつくりだしたに違いない体色を構成する物質がどのような化学構造をもっているのか…などとつぶやいてしまいました。
(画像掲示板のご趣旨からちょっと外れることをお許し下されたく。)調べるきっかけを見つけましたので、その冒頭部分の抜粋を少しだけ…
名著・吉倉眞「クモの生物学1987」
【体色】穴居・暗い所に住んでいるものは、たいてい褐色系の地味な色、明るい所に住んでいるものは、一般に明るい色をしていて、しばしば腹部に華やかな模様をもっている。クモによっては、居所を移動すると、背景の色に応じて体色を変えるものもいる。鮮麗な色は、種の認知、性の識別、保護色、警戒色など、クモの生活に重要な働きをしている。
褐色系の色は、なめされたタンパク質とかメラニンの色である。鮮麗な色は、色素色による場合と構造色による場合とがある。色素色としては、カロチノイドが普通で、黄色、緑色、オレンジ色、ばら色、赤色などを現わす。たいてい、タンパク質と結合して存在する。色素液として存する場合もまれにあり、カニグモの黄色などは、その例とされる。
知りたいことを調べるきっかけが具体的に書いてあり、うれしくなりまして…