クモ蟲画像掲示板
アマミハグモ - くも子
2018/09/11 (Tue) 14:50:44
2008年9月、奄美大島産オスで科博の小野博士がミナミハグモ属の1種として新種記載されました。当時メスは未知とされていましたが、その後の研究によりメスの発見、分布も沖縄島、西表島と広がりました。
ここでは石垣島の本種につき、若干の知見が得られましたのでご覧いただくこととしました。
観察地は、島の西側に広がるラムサール条約登録干潟と周辺のマングローブ林です。
Re: アマミハグモ - くも子
2018/09/11 (Tue) 14:58:54
①2012年11月石垣島やいま村名蔵アンパル(以下の写真も)
クモは体長2mmほど、ヒルギの葉上で普通に見つかります。
Re: アマミハグモ - くも子
2018/09/11 (Tue) 15:18:51
卵のう
卵を覆う膜が薄く、黄色の卵が透けて見える。また、細い糸で造られた(ように見える)デリケートなシートは、卵のうを守る目的の構造物のようだ。(親グモは写っていないが、以下のスレットに示した完成形と思われる卵のうや住居を含む構造物をつくる途中の仕事をしていたものと推測。)
Re: アマミハグモ - くも子
2018/09/11 (Tue) 15:22:17
まどいと仔グモを保護するメス
4月、ほぼ均等に育ちつつある(ように見える)30匹弱の仔グモのまどい、その中心に親と思われるメスの姿があった。
産卵後メスは、少なくともこの状態に至るまで、そばを離れないのではないだろうか。
まどいを形成する仔グモは、生まれたてのようには見えない。カロリー摂取の方法を見極めるのも、今後の宿題。
Re: アマミハグモ - くも子
2018/09/11 (Tue) 15:35:41
メスが造ったと思われる、卵のうと隣接する住居などを含む完成形の構造物2
住居にメスがいる。
これまでの研究成果をベースとした解説の一部:「樹木や草本上に棲む。産卵期は春季。葉裏に白色卵嚢を産みつけ、子グモが出嚢するまで見守る。」
【引用:日本産クモ類生態図鑑2018】
石垣島での観察概要:「ヒルギの葉の表側(おもてがわ)の端っこ近くに扁平な卵のうを1個つくる(葉裏は用いないようだ。端っこを踏襲するについては、何らかの意味があろう)。」「すぐそばに、ネコハグモの場合に似た、棚網または不規則網様のボロ網を張った住居をつくるが、ネコハグモのような天幕網はつくらない。」「ボロ網の構造は極めて複雑。梳糸(そし、篩板糸と呼ぶこともある)の束でできており、餌の捕獲(からみつき式)に用いる(らしい)。」「アマミハグモは数種の異なる糸を目的別に使い分け、複雑系の構造物をつくる。」「粘球を付着させた粘る糸はない。」
このクモの生態・習性を、少しずつでも解き明かしていきたい。
Re: アマミハグモ - くも子
2018/09/20 (Thu) 06:06:23
前述 2018/09/11 (Tue) 15:40:11 までの投稿後知りえた、関連があると思われる重要な観察例を知ることができました。以下を併せてご覧くだされたく…
●谷川明男さんのK71 Jul.1997:25-26
http://spider.art.coocan.jp/tokyospider/k071.pdf
タイトル「緑のハグモも子育てをする?」
【要旨】1996年3月31日、西表島東部の林内。親と、巣の中でまどい中の子グモ発見。「親と子が同居していたら餌をかけてみるとよい」の言を思い出し、近くでアリを見つけ、巣に落としてみた。すぐに親がきてアリの足に噛み付き、巣の中央に戻って静止。他所での採集観察後戻ると、2頭の子グモがアリに噛み付いていた。これは親が捕らえた獲物を子グモに与え、子グモはその獲物を集団で食べるということである…と考察しておられます。
●新海明さんのK84 Jun.2003:47-48
http://kakureobi.sakura.ne.jp/kishi/k84.pdf
タイトル「緑のハグモの生態あれこれ」
写真:緑のハグモ
【要旨】西表島白浜集落近くの林道、19例の雌個体のうち17例が卵のうを持っているか(6例)、出のうした幼体をかかえていた(11例)。卵のう数は全ての網で1個。出のう幼体の個体数はN9であり、クラッチサイズがある程度予測できた。谷川さんの上述観察例を引きつつ、子育て行動が見られる可能性が高い…と言及しておられます。
・クモの”網”観察に極めて造詣の深い新海明さん、この西表島の報告で「網はいずれも葉上に作られ、外観上はネコハグモなどと同様の構造をしていた」とのみ述べておられ、石垣島のマングローブ林における複雑な構造物と同じではないことが不思議です。
・19例のメス個体で、外観が違う個体の混在に言及がないことも、石垣模様を呈するメス成体が同所的に混在していた石垣島の例と違っており、気になるところです。
・観察場所(生息していた場所)が西表島の例では林内・林道、石垣島の例はマングローブ林のヒルギ葉上であるなど、違いがあります。
・一方「1網中の卵のう数は全ての網で1個だった」という共通点も。
附)石垣島のヒルギ葉上における不明クモの、「卵のう」と「まどい」の観察例があり、別の機会に投稿したいと思っていますが、考えがまとまらず、似たような観察例の出現がないか…キョロキョロしています。
Re: アマミハグモ - きどばん
2018/09/24 (Mon) 02:14:34
この辺りのクモについてはまったく分からないのでコメントのしようがありませんが・・・貴重な情報、ありがとうございます。
一休禅師の所感にまったく同意・・・素晴らしい図鑑ですが・・・コメントできません。
https://twitter.com/ikkyu_haetori/status/1034019244608868352
Re: アマミハグモ - きどばん
2018/09/24 (Mon) 02:40:20
大したことなさそうな記事だが私的に結構衝撃的・・・水に浸かるようなところでは見たことがない。
https://twitter.com/ikkyu_haetori/status/1022986073486503936
Re: アマミハグモ - きどばん
2018/09/24 (Mon) 02:51:04
色々な仕事してる(笑)
https://twitter.com/dongurins/status/1043760452847591426
Re: アマミハグモ - きどばん
2018/09/24 (Mon) 02:57:32
池田氏が紹介しているA1さんの記事。
科学的・・・ではないですが、私はこのような考察が大好きです。
http://www.asahi-net.or.jp/~hi2h-ikd/tokyoss2/suginami129.pdf
Re: アマミハグモ - くも子
2018/09/24 (Mon) 07:24:43
ご所見をお寄せくださり、ありがとうございます。
すごい本…我が家の体重計にのせてみました。
色々と「う~ん…」、日本語は難しいです。
退避戦略ではなく、水没してもなんとかなる…(クモが毛深いのはなんのためかなぁ。)
フェースブックって、大統領だけのものにあらず…なんですよね。我が家にはフェースブックとか、腕時計とか、チンとなるお料理装置とか、運転免許証もなし、導入予定も全く…昭和の初めころの生まれですが、社宅には味の良くない水道が。おかげで体内にピロリ菌はいません。美味しい井戸水の家は町の3割ほど、ほぼ例外なくカンピロバクター・ピロリ保菌者、生まれながら胃がんのリスクが高いとか。むやみに山の清水飲むべからず。ま、いまはたしか、健康保険で除菌ができる。(脱線のこと、お詫びします。)
・後日書き加えました。(記憶と言語の扱いが相当いかれてダメになっています。胃に棲みついているのはヘリコバクターピロリ…似ていて非なるものを取り違えておりました。バカ丸出し~すみません。
>このような考察が大好きです。
>2018/08/11 (Sat) 04:59:08(シグマさん投稿のところの末尾、わたくしもです。)