クモ蟲画像掲示板
佐渡島のコモリグモ(1) - 佐渡國蟲士
2021/09/04 (Sat) 11:37:33
教えてください。
佐渡島であまり見かけないコモリグモを見かけました。
以前、こちらでヘリジロコモリグモについて教えていただいた際に、佐渡ではキクヅキコモリグモはいないか、絶滅したのではないかというお話をいただきました。
http://kumomushi2.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=6055961
しかし、このクモ、キクヅキコモリグモのように見えます…
それとも、別種で色彩変異などなのでしょうか?
特定の地区でしか見ないですが、そこの水田の中には比較的たくさんいました。
8月15日に撮影したものです。
Re: 佐渡島のコモリグモ(1) - きどばん
2021/09/04 (Sat) 19:41:08
> 佐渡島であまり見かけないコモリグモ
> キクヅキコモリグモのように見えます
> 8月15日に撮影
極めて抽象的返答ですみません。体形・歩脚の太さバランスや棘の様子・眼域(単眼に囲まれた領域)の色合い等から、投稿して頂いた個体は「幼体」だと思います。比較できるような参考写真はほとんど持ち合わせていませんが、私が今まで見てきた「キクヅキコモリグモ幼体」とは異なる印象です。私の「推測」ではヘリジロコモリグモ「幼体」なのではないかと・・・正式な記録としては残されていませんが、佐渡國蟲士さんが「成体」と思えるようなサイズなのであれば亜成体・・・初夏だけでなく秋にも成熟する・・・2化なのかも知れません。もし・・・・あくまでも「もし」機会があれば9月下旬~10月頃「同箇所」で再度確認してみて下さい m(__)m
Re: 佐渡島のコモリグモ(1) - きどばん
2021/09/04 (Sat) 20:00:44
「ヘリジロコモリグモが生息している場所」では投稿して頂いた写真のような個体は確認出来ませんか?
胸板 - 佐渡國蟲士
2021/09/04 (Sat) 22:49:25
丁寧に教えていただき、ありがとうございます。
確かに佐渡島内ではヘリジロコモリグモはよく見かけますが、このように色の薄いものは見たことがありません。
腹側を写した写真もあったので載せておきます。
キクヅキコモリグモの「胸板の縁にそって3対の黒点がある」という特徴も合っているようです。
ヘリジロコモリグモの胸板がどうなっているかは見たことがありませんが…
Re: 佐渡島のコモリグモ(1) - きどばん
2021/09/05 (Sun) 05:16:20
> このように色の薄いものは見たことがありません
ヘリジロコモリグモの幼体も多数確認しているのですね。私はヘリジロを見たことが無いので何とも・・・
私の添付画像は最下段右の仔グモを背負った♀以外すべてキクヅキコモリグモ幼体の写真です。キクヅキでも佐渡國蟲士さんがご投稿されたような明るい色合いの個体は見たことありません・・・でした。最下段右の♀成体は今年の夏に千葉県で見たものですが、私的に初めて見た配色であり最初はキクヅキだとは思いませんでした。
> キクヅキコモリグモの「胸板の縁にそって3対の黒点がある」という特徴
> ヘリジロコモリグモの胸板がどうなっているかは見たことがありません
> 特定の地区でしか見ないですが、そこの水田の中には比較的たくさんいました。
キクヅキコモリグモでは幼体の頃から胸板に3対の黒点は見られますが、ヘリジロコモリグモの記載論文※では胸板について「やや縦長」という記述しかない・・・。「特定の地区」というのも興味深いです。最終的に生殖器を確認しなければ答えを出せませんが、佐渡國蟲士さんが確認された個体群は私が千葉県で見たものと同様の外見を持つキクヅキコモリグモ「生き残り個体群」なのかも知れませんね。
※Tanikawa,A., Nisikawa, U., Ohwaki, A., Endo, C. & Miyashita, T. 2014. A new species of Pardosa (Araneae: Lycosidae) from Sadogashima Is., Japan. Acta Arachnologica, 63:23-25.
再挑戦 - 佐渡國蟲士
2021/09/05 (Sun) 22:51:29
大変勉強になりました。
今月末くらいに再度同じ場所で捕まえてみて、生殖器の確認を試みたいと思います。
どうもありがとうございます。
秋の捕獲個体(1) - 佐渡國蟲士
2021/09/30 (Thu) 17:31:31
再挑戦してみました。
9月24日、前回と同じ田んぼで採取しました。
顕微鏡などはないので、デジカメで無理矢理撮影したものです。
かなりわかりづらいですが、判定できるでしょうか?
Re: 佐渡島のコモリグモ(1) - きどばん
2021/10/01 (Fri) 05:22:56
> かなりわかりづらいですが、判定できるでしょうか?
外雌器形状は液浸状態でないと詳細に見ることは出来ません。
ただ大まかな形状はキクヅキそっくりです。
この掲示板レベルでは「キクヅキコモリグモだと思います」
> 稲刈り後の水たまりにうようよといました。
美しい個体ですね!!
地色が淡色であるにも関わらず白毛で歩脚輪紋がくっきり。
キクヅキを見て「美しい」と感じたのは初めてです(笑)
すべての個体がこのような色合いなのでしょうか?
「特定の地区でしか見ない」・・・「島」の中の「特定の地区」のみ・・・
本土同様のキクヅキ個体群が「特定の地区」のみで生き残っている
・・・と考えるのが常識的ではありますが・・・
「よもやよもやだ」という可能性も・・・
念のため標本を残しておくことをお勧めします・・・出来れば♂も。
※添付写真は前掲の千葉県産キクヅキコモリグモ♀・・・仔グモがはけた状態。
佐渡島個体群ほど淡色ではありませんが、私が今まで見てきたキクヅキの中で最も明るい色合いです。ウヅキコモリグモほどではないと思いますが、かなり「色合い」の変異幅がありそうです。
Re: 佐渡島のコモリグモ(1) - きどばん
2021/10/01 (Fri) 05:49:35
「その種がその場所に生息していた」という確実な記録を残すためには「標本」が不可欠です。「標本」を作ることは特定の「個体」を「殺す」ことになりますが、環境破壊等で個体数が激減した際には「種」を存続させる活動につながる・・・「生かす」ための重要な資料となります。
秋の捕獲個体(4) - 佐渡國蟲士
2021/10/01 (Fri) 08:49:33
きどばん様
いろいろとありがとうございます
他の個体の写真もアップします。
白っぽい個体が多かったですが、褐色のものもいました。また、少し緑がかったものも見られました。
Re: 佐渡島のコモリグモ(1) - 佐渡國蟲士
2021/10/01 (Fri) 10:30:31
これはちょっと素人の範囲を超えましたね。
どなたか専門家にサンプルを送ってみてもらいたいのですが、そういったことはできるものでしょうか?
詳しい場所をここで明かすといろいろとまずいでしょうが、以前紹介いただいた1937年の論文で記されている採集の移動ルート上に私がこのクモを見つけた地点ものっているので、やはり80年以上前に佐渡にキクヅキコモリグモがいて、今も生き残っていたとみた方がよさそうです。ロマンのある話ですね。
なにがしかの経路で島外から最近になって入ってきて増えている可能性も捨てきれないでしょうけど。
Re: 佐渡島のコモリグモ(1) - きどばん
2021/10/01 (Fri) 19:40:32
> 専門家にサンプルを送ってみてもらいたい
こちら ↓ の方にお願いするのが理想かと。
http://www.asahi-net.or.jp/~dp7a-tnkw/index.htm
上記ページの「クモの同定依頼に関して」をご覧ください。「研究目的であれば喜んで同定に協力」とあります。「研究目的」があれば全く問題ありませんが、ない場合はこれを機に「研究目的」を作ってしまう、というのも手です。佐渡國蟲士さんが活動されている分野とクモの関り等を報文にして会誌に投稿するとか(笑)
http://www.asahi-net.or.jp/~hi2h-ikd/tss1.htm
同定依頼 - 佐渡國蟲士
2021/10/03 (Sun) 20:45:30
いろいろとありがとうございます。私の素朴な疑問がまさかここまで難しい話になるとは思いませんでした。クモの世界は実に奥が深いですね。教えていただいたとおり、同定を依頼してみたいと思います。