★ クモ関係の掲示板です。
★ クモの種名を知りたい場合は撮影日・撮影地・体長を記入してください。生息環境（屋内、公園、里山、山地、河原、海岸等々）・いた場所（路上、葉上、枝先、枝葉間、樹幹など）・行動の様子等、生態的情報も大変参考になります。
★ 投稿していただいた画像は『クモ画像集（下段「ホーム」リンク先）』に掲載させていただく場合があります。
★ メールアドレス・URLは必須入力項目ではありません。
★ 画像の著作権は投稿者にあります。無断転用は絶対にやめて下さい。
★ 当掲示板に不適切な記事内容の場合、お断りなく削除する場合があります。

1：くも子 :

2016/08/08 (Mon) 12:33:29

これまでほとんど関心を持たずに来てしまったクモ界の異端児？

ヤマトカナエグモ♀（１６０６１５宮城県刈田郡）

2：くも子 :

2016/08/08 (Mon) 12:35:08

変わり者…（どのように変わっているのでしょう）

カナエグモの仲間は世界に約２４種…日本では、このヤマトカナエグモ１種のみが棲息。

外見上ヨツデゴミグモに似るが、実態はかなり違う。

3：くも子 :

2016/08/08 (Mon) 12:47:28

【参考】ヨツデゴミグモは斯くの如く見事な網を張りますが、ヤマトカナエグモは網を張らない。ほかのクモの網に侵入、直接クモを襲って捕食する。

ヨツデゴミグモ幼体の水平円網（０８１００３東京都町田市）

4：くも子 :

2016/08/08 (Mon) 13:15:03

カナエグモ属Chorizopesは他のコガネグモ科すべてからなる単系統群の姉妹群と推定されている…とあります。
分布域を丸い地球儀で俯瞰すると、マダガスカル、インド、旧北区と、太平洋を囲む北西地域にのみ２４種が生息している。
ヤマトカナエグモＣ.nipponicusは北海道を除く本州、四国、九州、そして韓国、中国にも分布。

ゴミグモ属Ｃyclosaは世界におよそ１２０種、日本には２３種が生息、この大所帯の中の１種ヨツデゴミグモＣ．ｓedeculataの姿がどうしてこんなにもヤマトカナエグモににているのかは謎ですが、大きさも大差なく、網を張っていれば間違いなくヨツデゴミグモ。しかし、捕食目的で他種の網に侵入しているところを見つけた場合、同定には手順を踏む必要が生じます。
興味深いことの一つに、Ｃyclosaはムツボシオニグモ属Ａraniellaおよびカタハリオニグモ属Ｅriophoraなどと姉妹群であると推定され、その共有派生形質は第４脚の蹠節に３本以上の聴毛があること…です。

【参照した資料】
日本産クモ類（略）、クモ地図＆生理生態事典（略）、千国写真図鑑（略）、新海図鑑（略）、目録２０１６（略）

5：きどばん :

2016/08/09 (Tue) 21:58:15

> ゴミグモ属Ｃyclosaは世界におよそ１２０種、日本には２３種が生息、この大所帯の中の１種ヨツデゴミグモＣ．ｓedeculataの姿がどうしてこんなにもヤマトカナエグモににているのかは謎ですが、

分類というのは「人間の一般的論理」･･･というか、高名な分類学者の「個人的見解」によって「定義される」ものですからね。自然界のルールをそう簡単に「誰もが納得できる体系」に分類できるものではないでしょう。親の体形がそっくりなのに卵のうの形が「似ても似つかない」ものであることも興味深いですね。

※ヤマトカナエグモ♂　160521 東京都八王子市

6：くも子 :

2016/08/10 (Wed) 08:30:21

格調の高いコメントおよび貴重なヤマトカナエグモ♂の生態写真、ありがとうございます。

人間の側のもろもろなど、クモは”われ関せず”ですね。
分類・体系化しておかないと、入口から入ることすらできません…リンネという偉人以来、試行錯誤が続けられている。

ほとんど意識して考えてみたことがありませんでした。が　”卵のうの形体”の不思議は、クモの側のさまざまな戦略を秘めているに違いないと気づかされました。

確か、Ｉ．ヒロヨシさんの”卵のう検定”というのがあった？

http://spider.art.coocan.jp/studycenter/gakkenkumo.htm

【見直してみました。】
ＳＰＩＤＥＲ 　ＤＡＴＡ
２．身近なクモ　Ａ２．クモ卵のう検定：４級（初心者）～１級（上級者）各級１２問

クモが一緒に写っている写真はある程度正解できても、卵のうだけだと４級でもあやしいのが。（なお、５級はありません）とあり、トホホのレベルでした。
●"卵のう検定ポイント解説"は懇切丁寧（これだけまとまった資料は他に類例がありません。よい勉強になりました）。