クモ蟲画像掲示板

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ヒメバチグモ挑戦の記 - くも子

2017/10/18 (Wed) 08:34:39

ヒメバチグモ、このクモの名をご存知でしょうか。
科博の先生が1987年石垣島から記載された世界中のクモの中の超珍種。

2016年にいたり、ハエトリ先生須黒さんが宮古島からの新しい記録をキシダイアに報告。ご本人の現地情報を得てこの5月初挑戦、完敗。今回の再挑戦となりました。

(171017沖縄県宮古島市)

Re: ヒメバチグモ挑戦の記 - くも子

2017/10/18 (Wed) 08:41:40

旅先での投稿がスムーズにできません。帰宅後に改めて詳報させていただきます。

Re: ヒメバチグモ挑戦の記 - きどばん

2017/10/18 (Wed) 21:39:30

> 世界中のクモの中の超珍種。
> 帰宅後に改めて詳報させていただきます。

すみません、こういうのには疎いもので・・・
クモ子さんの解説付きで・・・期待しています。

※関係ありませんが・・・カチドキナミハグモ♂。
 私は活動範囲が狭いので問題なさそうですが、ナミハグモの同定はかなり難しい・・・というか分類基準が今一つ・・・よく分かりません。 171008 東京都八王子市

Re: ヒメバチグモ挑戦の記 - くも子

2017/10/19 (Thu) 05:34:21

きどばんさん、貴重なカチドキナミハグモ♂の姿、ありがとうございます。この姿でオスは来シーズンを待つのでしょうか。八王子市の奥深い自然度を示してくださりうれしい限りです。以前さまざまにご指導いただいたCybaeusさんのことを思い出しています。

さて、わたしの方の物語は、クモ学の王道をキチンと踏まえていない、見た目に頼ったストーリーですので、その点はどうぞご放念くだされたく。

真謝漁港のススキをあきらめ、新たに見つけた伊良部大橋を望める場所(後日調べたところ”みやこサンセットビーチ”とよぶらしい)。
広い草原の中のススキ(主に写真左側)を自己流でビーティング、ハエトリグモに混じって落ちてきたクモを見つけ、捕まえ、撮った写真です。申し上げるなら状況証拠のようなもの、ヒメバチグモだという仮定(前提)で述べさせていただきます。

最初の写真は同一個体【一匹目】体長約3ミリメートル
1.上から:腹部斑紋が少ない
2.下から:歩脚付け根の丸み、胸板の形の違いにご注目。驚異的スピードの秘密が隠されているのかも?
(ちなみにこのクモの実力の一端を。わたしが用いている受け皿代わりの洋傘は半径63cm。ススキから落ち、秒単位で駆け抜け消えました。)

記載論文の図像と似ているが、違う部分もいくつか…下面の写真は比較するものがありません。
谷川先生のオス写真とも、似ているが違いも。

Re: ヒメバチグモ挑戦の記 - くも子

2017/10/19 (Thu) 06:15:12

日本の著名な若手クモ学者”ばぶうんさい”さん「クモ界のウサイン・ボルトというワードが脳裏をよぎった。ワイ的にはヒメバチグモを推したい。(161019)」と語っておられます。

このくだり、宮古島を訪れる前から見て知っていましたが、真の意味をわたしは知らなかった。本当の、ヒメバチグモの実力を知りませんでした。上述写真を撮った前日、少なくとも5度はみつけた?と思った約1秒後、もういない、消えた、のくりかえしでした。これまで出遭ったどのクモとも違ってました。悔しい…あれはどう考えてもヒメバチだった、という思いだけが頭に残りました。

そのずっと前、5月・最初の挑戦。須黒さんのキシダイア報告およびご助言「真謝(まじゃ)漁港付近のススキのビーティングがよい。真謝以外でも普通にいる感じ…」。
行けば見つかりそう…真謝・真謝・真謝のススキ、そんな下心を胸にでかけました。
現実は連日の雨と強い風、そんな中で真謝のススキを叩き続けましたが、気配すらなく、完敗。

再挑戦の今回10月、列島沿いに秋雨前線が長々と…連日の雨と風と32度Cという猛暑に悩まされました。しかし失敗を重ねたおかげか、このクモのことが少しずつ判ってきました。

世界一速く走るボルト、その金メダル級のハシリを身に着けた小さな小さなクモ。見つけても有頂天にならず冷静さを保ち、直進するクモの先を読んで対処することが勝利につながる…

「失敗は成功のもと…」

Re: ヒメバチグモ挑戦の記 - くも子

2017/10/19 (Thu) 06:49:25

ネコグモ科ヒメバチグモ属のヒメバチグモ。地球上で沖縄県(沖縄島・石垣島・西表島、そして新たに宮古島)以外に記録がない一属一種。
生きた写真は知る限り、谷川先生のオス図像しか見たことがないです。

「日本産クモ類2009」によりますと、日本産ネコグモは7属19種。ヒメバチグモ以外は見た目が全く違います。ヒメバチグモをほかのネコグモ類と混同する心配はなさそうです。

ヒメバチグモは、それほどに際立った特徴を有する魅力的なクモです。

Re: ヒメバチグモ挑戦の記 - くも子

2017/10/19 (Thu) 07:42:43

写真は同一個体【二匹目】体長約2.5ミリメートル
1.下から
2.上から

「日本産クモ類」本種解説部分:体色は全体に明るい黄褐色ないし黄白色。個体によっては、背甲の正中部と側縁部が暗色で、腹部背面に対をなす暗色の斑紋がある(無許可引用しています)。

このクモも今回の一匹目同様、腹部背面に対をなす暗色の斑紋の数が少ない個体です。(10月中旬、斑紋はクモの齢期に関係しているかもしれません。須黒さんの3月2F真謝は成体。)

Re: ヒメバチグモ挑戦の記 - くも子

2017/10/19 (Thu) 08:05:17

写真は同一個体【三匹目】体長約4ミリメートル
1.上斜め横から
2.下横斜めから
3.上から
4.下から

このクモは、途中緩めることなく猛スピードで直進。のち急に何かに寄り添うような場所で静止、しばらくその姿勢を保つようでした。その時が唯一撮るチャンス。

捕獲・撮影まで漕ぎつけることができた成功率は5割以下、30~40%止まりでした。

困難な事象が多かった物語に付け加えるとしたら、ハチの群れに何度も襲われ、手の甲や首筋、耳など10か所近くを刺されたことです。小型の黄色っぽいハチで、追いかけてきます。同じ個所を刺されるとかなり腫れ上がり、激痛は小一時間で薄れましたが、痛痒さと固く盛り上ったところが数日は赤黒く変色したままです。こちらのアシナガバチなどのように、毒針を皮膚に残すようなことはありませんでしたが、まいりました。

ご所見をお寄せ下されたく…と、願っています。

Re: ヒメバチグモ挑戦の記 - きどばん

2017/10/20 (Fri) 22:05:04

生息環境、背甲形状、眼の並びからヒメバチグモ幼体で合っていると思います。台湾にもいそうですね。

Re: ヒメバチグモ挑戦の記 - くも子

2017/10/21 (Sat) 07:59:49

きどばんさん、早々に「ヒメバチグモ幼体で合っていると思います。」というご所見を寄せてくださり、ありがとうございます。

170317我が家に談話会の会報が届き、170421須黒さんに質問メール、170423須黒さんから「真謝漁港付近のススキ原…ある程度どどこにでもいる気がします。」という決定的アドバイスを頂戴して以来、夢の一部が叶ったような気がしてとてもうれしいです。
拙ライフリストに加えることにしたいと思います。成体に出会える日が訪れることを願いつつ…

Re: ヒメバチグモ挑戦の記 - くも子

2017/10/28 (Sat) 08:27:28

”刺毛(しもう)”が撮れている写真を探してみましたが、この程度が精いっぱいでした。

それらの配列がクモの分類に役立っている(「クモの生物学」1987 p.20など)とあり、読み直してみています。

Re: ヒメバチグモ挑戦の記 - くも子

2018/01/15 (Mon) 09:04:50

>台湾にもいそうですね。
と、きどばんさんにご教示いただきました。ありがとうございます。

ヒメバチグモ属は世界でヒメバチグモ1種のみ。
新着の「中国蜘蛛生態大図鑑」に台湾産の写真が収載されておりました。

※図鑑の写真は削除しましたm(__)m

Re: ヒメバチグモ挑戦の記 - くも子

2018/01/15 (Mon) 09:09:45

重さが4kgほどだとか、製本がちょっと不安。

日本との共通種はあまり多くないみたいです。

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