クモ蟲画像掲示板
クロツヤハエトリ - くも子
2020/05/27 (Wed) 14:43:44
うす曇り、気温28度Cだとか。久しぶりでしたが、迷うことなく「あそこの手すりへ」。クロツヤハエトリ出現の特異日でした。
(200527東京都足立区)
Re: クロツヤハエトリ - きどばん
2020/05/28 (Thu) 06:26:52
> ここ一か所で50匹+
すごい数ですね。ある種のクモが生息域を拡大しようとするとき、何らかのスイッチが入って大発生となる例が・・・
十数年前、マルゴミグモが一区画の圃場の生垣に100匹以上造網していたことがあります。また「左はビール工場♪」下のコンクリート壁面に数十匹のヤガタアリグモがひしめき合っていたことも。あと、虹の輪くぐりさんに投稿して頂いた福島のムツトゲイセキグモとか・・・
そこは何年も前から生息していた場所でしょうか?
Re: クロツヤハエトリ - くも子
2020/05/28 (Thu) 18:30:16
>ある種のクモが生息域を拡大しようとするとき、何らかのスイッチが入って大発生となる例が・・・
知りませんでした、全く。クモという生きものが見せてくれるさまざまな能力には驚かされます。
昨日の例は通常ここで見つかる数より多いです。クロツヤは気温が高めの日に活発に行動する傾向があります。漠然とですが他の種もそのように感じたことがありますね。
ここでは、クロツヤのメスが見つかるとうれしさ倍増…ですが、どのぐらいの比率かなとおもってLUPE 10xで全個体の体色と蝕肢の膨らみ具合を観て驚きました。若干の未熟オスも含め全部オスです。クロツヤのメスは幼体時からオスと違う灰色ですのでいれば見分けがつきます。混棲していたキレワもオスばかり、何故だか解りません。
ここの手すりは、2年ほど前に河川敷の一部を駐車スペースにする工事が行われ、車の出入り用に堤防を削って新設された道路と手すりです。これまでさほどクモが利用していた実績はないので驚きました。
間伐材を用いた時代にはチクニハエトリなどが割れ目を住まいにしたり繁殖用に用いたりと最高の観察ポイントでした。
Re: クロツヤハエトリ - きどばん
2020/05/29 (Fri) 05:07:50
> 2年ほど前に河川敷の一部を駐車スペースにする工事が行われ、車の出入り用に堤防を削って新設された道路と手すりです。
ありがとうございます。急激な環境変化に対応する「何か」があるんでしょうね。
一定地域に個体数が多くなると♂は「縄張り争い」的に目立つ高い場所に出てくるので単に「目立つ」、♀は逆に動き回る必要性が少なくなるので「より目立たない」ということだと思いますが・・・若干性比の偏りが出ているのかも知れませんね。
Re: クロツヤハエトリ - くも子
2020/05/29 (Fri) 05:42:14
ご所見を寄せて下さりありがとうございます。
はてなと思ったら追いかけっこしながら繰り返しクモに聴いてみるのが早道だと思っています…
日本のツヤハエトリグモは5種、足立の河川敷で見つかるのはクロツヤとキレワの2種です。
2017年に学会の奨励賞を受賞されたハエトリ先生のご著書を開くと「ツヤハエトリの仲間は外見で同定するのが難しく、環境とちょっとした色の違いから「当てを付ける」ことしかできない。生殖器では容易に区別できるので、確実な同定は生殖器で行うべき。」とあります。
キレワとクロツヤ(およびヤマトツヤ)のオスは区別できない…とも。
10Xのルーペを用いたと申し上げたのもオスの蝕肢の膨らみ具合と体色を観ただけのことです。むしろ肉眼で観ただけの方が動きの違いと第一印象の違いで何となく「あれだな」…と。
今日は暑くなりそう、宮古島で衝動買いし重宝している”くば笠”を頭に縛り付け、クモたち全員を連れて戻しに行きます。ついでにその後の手すりの様子も観るつもりです。
Re: クロツヤハエトリ - くも子
2020/05/30 (Sat) 03:39:45
河川敷内の高架の下、前日一時捕獲した場所と地続きの日影を選んで座り込み、クモ全員を解放…
そこから直線で200mほど上流、件の手すりへ。10時を回ったころでしたがすでに気温が上昇、鉄パイプの手すりは暖かくなっており疎らなクモの行列が始まっていた。
数的には前日を越えている感じ。別にメガネアサヒハエトリ♂♀とシラホシコゲチャハエトリを散見。今日は無作為捕獲でなく、キレワ♂♀とクロツヤ♂その他もスルー、目標をクロツヤ♀にしぼった…意外にもひと目でクロツヤ♀と判るクモが結構見つかる。
下りの片道だけで草臥れてしまい、終了。クロツヤ♀13~4匹お持ち帰り。
写真はそのうちの3匹(以下は省略)です。所々白毛が擦り切れ、黒っぽい地肌が見えている個体も少なくなかった。
スルーしたクロツヤ♂は♀の3~4倍、長大な第1脚の片方を失った個体が明らかに目立ち、♂同士の熾烈な競争が関係していると推測した。行列途中、両の第一脚を高く掲げにらみ合うシーンまでは頻繁に観られたが、組んずほぐれつまでは観ることができなかった。
Re: クロツヤハエトリ - きどばん
2020/05/30 (Sat) 20:25:42
> クロツヤ♀13~4匹お持ち帰り。
> スルーしたクロツヤ♂は♀の3~4倍、長大な第1脚の片方を失った個体が明らかに目立ち、♂同士の熾烈な競争が関係していると推測した。
いやぁ~すごいっ!! 私のような半端な知識しかないクモ屋にはコメントのしようがありません。
> 同じ姿が見つからない?個性派レディー達でした。
そのように感じるのはくも子さんの個体識別能力の高さによるもの・・・普通の人にはほとんど同じに見えると思いますよ。
Re: クロツヤハエトリ - くも子
2020/05/31 (Sun) 05:50:52
>普通の人にはほとんど同じに見えると思いますよ。
えぇっ、瞬時にほとんど同じに見えてしまう方々の眼力って驚きの上級レベル、とても追いつけないなぁと感じ入るばかりです。種として定まった特徴を見極めるまで時間を要します。
「ちょっとクロツヤ」といった足立の不自然な自然への距離感と幸せ感が気に入っております。
灰白色の体毛が抜け落ち所々黒っぽい地肌が見えているのは、彼氏に強く抱きしめられた結果の勲章ではないだろうか?などとと少し危なげな妄想したり…です。
Re: クロツヤハエトリ - 隠れファン
2020/05/31 (Sun) 22:34:27
種が見分けられるきどばんさんと個が見分けられるくも子さんが組んだら、いろいろな事が調べられる気がします!!
〃〃o(^-^o)(o^-^)o〃〃
それから、お二方の視点の違いが分かれば、見え方の違いも分かるかもですね。
Re: クロツヤハエトリ - くも子
2020/06/01 (Mon) 10:24:19
隠れファンさん
〃〃o(^-^o)(o^-^)o〃〃
素敵な笑顔、ありがとうございます。
Re: クロツヤハエトリ - きどばん
2020/06/01 (Mon) 20:06:57
> 個が見分けられる
なるほど・・・「種」を認識しようとすると「個」を何らかの基準で一括りにしてしまいがちですね。まったく同じ場所で採った、どう考えても同種としか思えない瓜二つの不明種幼体2個体が、まったく同じ環境設定で同じ餌を与えても片方は頑なに食を拒み、片方は面白いようにガツガツ食べる・・・なんでやねん???、というようなシチュエーションは度々経験しています。本当に人と同じで個性豊かですよね。